街は、クリスマスソングやイルミネーションでにぎわっています。今年も残り少なくなりました。
高校を卒業したばかりの娘が、カナダに発ったのはサクラが咲く季節だったことを思うと、もう8ヶ月が過ぎたのです。
娘は、中学2年と高校1年の春休みにカナダ友好協会のお世話で、カナダへ行きました。娘は、小学生の頃から、将来は通訳になりたい、外国で暮らしたい(本当は国際結婚が目標？）と外国への夢をもっていました。学校からもらってきた１枚のプリントが夢をぐっと自分に近づけたのです。「カナダ？ホームステイ？10日間？」夢のような言葉です。
高校卒業後は、大学進学をカナダでしたい、と思うようになったのは、ホームステイで出会ったホストファミリーの温かさを感じ、カナダの自然や美しい町並みから当然の気持ちだったかと思います。高校時代は、目標がはっきりするに従って、勉強も自分のペースで行うようになりました。週に2回YMCAで英会話を学び、3年生になってからは毎週、浅海久美子先生に文法等を教えていただきました。そして、自分でも資金を貯め始めました。(学校はもちろん、アルバイト禁止だったのですが、近所の子どもたちに勉強を教えたり、皿洗いのアルバイトをしてお金を貯めていました。）目標を持つと言うことは、やるべきことをはっきりさせ、それに向かって努力するということを娘から学んだように思います。家の家計の心配もしてくれたようです。
３月末、心配する私たちに、屈託なく手を振って元気いっぱいカナダへと出発！！ホームステイ先は、フランス系のお家で、同じ年頃の美しいお嬢さんがいらっしゃいます。すぐに親しくなってランチを食べに行ったり、様々な事を教えてもらいました。自転車をいただき、自分でランチを作って、一人で近くの公園にハイキングに行ったり、プールに泳ぎに行ったりと楽しい生活を送り始めました。
5月から始まったVCCの英会話学校では、７つあるうちの上の方のクラスに入ることができました。これは、高校時代に久美子先生から「生きた英語」（学校では習わない）を丁寧に教えていただいたお陰だと娘も言っておりました。順調に試験にもパスし、本をたくさん読んだご褒美に担任の先生から人気の本をプレゼントしてもらったり、苦手な所を個人レッスンしてもらったり、と恵まれた学習環境で過ごしています。最後の卒業のテストでリーディングで落としたそうで、その日から図書館に行って勉強しているようです。だれにでも声をかけられる娘でしたが、言葉の壁にもぶつかったようです。ヨーロッパ系の人には、日本人や韓国人の英語の発音は通じにくいと落ち込んでいた時期もありました。
ドイツ人、フランス人、サウジアラビア人、韓国人、中国人・・・様々な友だちができ、一緒に映画に行ったり、ボーリングに行ったり、誕生祝をしたり、山登りをしたり・・・と毎日が盛りだくさんのようです。先月からは、近くの老人ホームに行ってボランティア（どちらかと言えばお世話してもらう方ではないかと思いますが？）を始めたそうです。カナダの学生は、ほとんどの人が介護等のボランティアをしているということです。
順調にいっている事ばかりではありませんが、この8ヶ月の間に精神的には、とても強くなったようです。お小遣いとして、1万円送っていますが7ヶ月目にして初めて洋服を１まい買ったくらいで、節約に努めているのも日本にいてはこうはならなかったと思っています。自分で自分のことをするしか、しかたないので、パスバスを買いに行ったり、パソコンをつないだり、部品を買いに行ったり、交換に行ったり・・・そんな日常の生活こそが娘を成長させてくれたのでしょう。
日本にいて、一番安心していることは、パソコンによる連絡ができることです。メールはもちろん、スカイプのカメラやマイクのお陰で、すぐ隣にいるようにいつでも、顔を見ながら話ができます。時差を考えながら１週間に一度は、スカイプで話し、それ以外はメールで連絡を取り合っています。写真を添付するので、その日の夕食から友だちの顔から部屋の様子までわかります。離れているからこそ、たくさん話をして、心が通じるのかも知れません。「お姉ちゃんに会いた〜い！」の妹にとっても、嬉しい時間です。
そして、手に負えないことやわからないことは、カナダ友好協会に頼りっぱなしです。すぐにお返事をくださったり、手を打ってくださるので、安心して生活できます。
VCCを終えた後０５９（カレッジ）で学び、その後大学へ編入という道を考えていますので、あと、３、４年はカナダで過ごすことになりそうです。家族としては親離れをあっさりと終えた娘に、何だか寂しい思いをしていますが、娘のメールやカードやスカイプから充実した毎日を送っていることを実感し、私の生き甲斐にもなっています。
寒さに向かいます。ご自愛下さいませ。 １１月２５日 （明日が娘の１９才の誕生日です）
